センパイ。
杏樹side


「月希ちゃん!」


見つけた。

道端にしゃがみこむ小さな背中。


「ごめんなさい、いきなり居なくなって。戻らなきゃ」


そう言って笑顔を作る。


「何言ってんだよ」


俺は抱きしめた。

やっぱり震えてる。


「ごめん…ごめんね。でもこうさせてほしい」


月希ちゃんは子どものように声をあげて泣いた。

しばらくして落ち着いたら家まで送って行った。
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