センパイ。
次の日。

眠れないまま朝を迎えた。


「月希おはよ」


リビングに行くと父がコーヒーを飲んでいた。


「月希も飲む?」


母が言う。


「飲む」


あたしもコーヒーを貰うことにした。


「はい、月希がだいすきな甘いカフェオレ」

「ありがと」


コーヒーを飲みながらボーッとテレビを観ていた。


ピンポーン。


インターフォンが鳴った。

朝早くに誰だろう。


「月希…杏樹くん」


部屋に通された制服姿の杏樹さん。


「わざわざ迎えに来てくれたんですか?」

「いや、学校行く前に顔が見たくて」


親の前でも平気で甘い言葉を言う杏樹さん。


「学校行ってみる?」


母が言う。


「んー…うん、、」


あたしは学校に行くことにした。
< 36 / 67 >

この作品をシェア

pagetop