センパイ。
文化祭当日。

あたしらのクラスはメイド喫茶をする。

女の子はメイド服を着て、男の子は裏方をする。


「おかえりなさいませーご主人様ーー」

「おい棒読みじゃねーか」

「うわ六詩…」


最初の客は六詩と六詩のバンドのドラム、雫が来た。

最近知ったんだけど、雫もうちの高校だったらしい。


「ご指名は」

「こんな可愛くねーメイドやだ…」

「じゃあ他行け」

「つ、月希!お前を指名する!!」

「えー」

「えーじゃない、仕事でしょ」


璃空に言われ仕方なく接客をする。


「雫は?」

「六詩と同じ席でいいや」

「え、断トツで月希が1番人気なの?みんなセンス悪いね~」


六詩が黒板を見て言った。

黒板には指名が多い順に名前が書かれている。

写真を印刷して、それをラミネートして、名前を書いて、磁石を貼っつけた物。


「絶対シンガーソングライターツキ目当てだよね、みんな」


ひそひそと話し声が聞こえる。
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