センパイ。
杏樹side


「ねぇ、やっぱ戻ろ!」


お化け屋敷の受付を担当してると、月希ちゃんと璃空の姿。


「月希ちゃん、来てくれたんだ」


俺は声を掛ける。


「はい、杏樹交代!」


俺はされるがまま、受付に謎に璃空が居る。


「はい、いってらっしゃーい」


璃空に背中を押され俺は教室に入った。

俺らが作ったからどこに誰が居るとか仕組み全部知ってんだけど…。


「怖いの?」


俺の後ろに隠れる月希ちゃん。


「だ、大丈夫です!」

「はい」


俺は手を差し出す。


「え…」

「手繋いだら怖くないよ、きっと」


俺はずるい。

こうしないと手を繋げない。

断られるのが怖くて。

月希ちゃんの小さな手は俺の手を握る。
< 44 / 67 >

この作品をシェア

pagetop