センパイ。
月希side


授業中、ぼーっと外を見ていた。


「え…嘘、、」


今体育をしているのは3年生。

昨日の2人が居る。

先輩だったのか…。

失礼な態度を取ってしまった。


キーンコーンカーンコーン…。


授業が終わり、あたしは走った。

3年生の教室に。


「ツキちゃんだよね~?」

「なんの用~?」


一気に他の3年生に囲まれた。

み、見えない…前が見えない、、


「どいて」


人混みを掻き分けて来たのは昨日の大男。

あたしの手を引いて人気のない場所へ連れて行ってくれた。

なんでだろう、キラキラ王子様に見えてしまう…。


「あ、ごめんね」


パッと手を離す大男。


「じゃあ…」


そう言って大男は立ち去ろうとした。


「あ、あの…!」

「ん?」

「昨日はすみませんでした!助けて貰ったのにあんな態度…」

「大丈夫だよ」


そう言って笑った大男。

笑うと目が無くなる。


「俺、杏樹。君の名前は?」

「月希です」

「月希ちゃんか、よろしくね」
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