センパイ。

月希side


あれから杏樹さんはすれ違ったり、目が合うと笑って手を振ってくれる。


「よいしょっ…ほっ、、ん!!!」


今度は自販機と戦っている。

この上の段のカフェオレが飲みたい…!

あとちょっと、、


ピッ。


「これでしょ?」

「杏樹さん…ありがとうございます」

「届かねーなら大人しく下のやつ飲んどけよ」

「チッ」

「うわ、舌打ちした、舌打ち!聞いた?杏樹!!」

「お前1個下だろ、敬語使え、敬え」

「やだね」


杏樹さんといつも一緒に居るこいつ、六詩。

1個下のくせに生意気でムカつく。


「なかいいね」


杏樹さんは優しい笑顔で言う。


「仲良くありません」

「あ、そうだこれ…」


そう言って杏樹さんは何かのチケットをくれた。


「ライブ…?」

「俺らバンドやってるんだけど…」

「え!杏樹こいつに渡すの!?こいつ招待するの!?」

「六詩うるさい」


杏樹さんと同じクラスの湊優さん。


「暇だったらでいいんだけど」

「行きます!!!」

「えー…やだぁ、、」


騒いでいる六詩はほっといて、あたしは杏樹さんのライブのチケットを手に入れた。
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