マフィアの弾丸 Ⅳ





 ────…そう、思ってるだけじゃ変わらない。と、わかっていても動く現状でも
 環境でも無いのが
 (ことわり)の真実で。




 そんな今のこの状態に、嫌気が差せばソレに伴って追記してくる、脳内の記憶に。

 はぁぁ、と重めのため息をはきだしながら又、深いふかい深呼吸をしてただ、心持ちを誤魔化していく。



 けれども、そんなふうに誤魔化したところでどうにも出来ないし、どうにもならないワケで。




 ────…以前、(意識の無い間に)お邪魔していた彼らの、別荘地のような
 贅沢なリビング・ルームのソファーの一角。



 大理石柄の、丁寧な模様があしらわれたその、ソファーの一角に、
 ストン。下された自分の姿が何とも
 情けなく滑稽ではないか。




 ・・・・・なんて、

 おもわず自分を見下しそうになった。




 しかも____…、




 「おい、ケツに力入れる練習しとけよお前。毎回毎回、抱いてらンねぇぞ一々」

 「っ、…」


 隣にドカリ、横柄な態度で豪快に足を広げ座ったシルバーブルーの男が、
 ぺしぺし、無骨な手の甲を伸ばし
 あろう事か。

 私の頬をかるく、叩きながら
 そんなことを言って退けたものだから『…何言ってるんだコイツ』的な視線を
 向けてやると____、




 「ちィっと股間イジられたぐれぇーで腰立たなくなってどうすン」

 「っっちょっと!!?!??!!」


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