うみに溺れる。


「うっわ!?びっくりした、お前起きてたのかよ」

「いや、え、なんでここに居んのよ!」

「一回忌終わったから、お前の様子見に行こうかと思って」


時計を見るともうお昼を過ぎていた。
制服姿の空人は終わってそのままここに来たらしい。


「…来るなら着替えてから来たらいいのに」

「だってお前、メールしても返信ねぇから何かあったのかと思って…」

「いつの間にか寝てた」

「…はぁ。おばさん達まだ雫玖の家居るから」

「そうなんだ」


不機嫌そうに見えて、なんだかんだ心配されているのを感じる。


「なんだよ」

「いや?なんでもない」

「……なぁ、まだここに居てもいい?」

「いいけど。今まで好きな時に来て好きな時に帰ってたじゃん」

「…うっせ。“いいよ”ってだけ言えばいいだろうが」


2人で居たって話す事もやる事も大してない。
私はベッドに横になったままスマホをいじってゴロゴロして、空人はベッドの下に胡座をかいて座って大音量で動画を見ている。

うるさい、と文句を言えば気持ち程度音量が小さくなった。

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