うみに溺れる。
***
雫玖の一回忌を終えた次の日、空人は珍しく迎えに来なかった。
先に行ったのかとメールを見ても何も来てないし、送っても既読すら付かなかった。
ちょっと早めに家を出て、空人の家に行っても誰も出てくれなかった。
庭で飼っている犬がクゥンと鳴いている。
「ユキチ、空人居ないの?」
あふぅ、と息を漏らすだけでもちろん答えてはくれない。
お金ばっかりかかるから、と空人が“ユキチ”と名付けたラブラドールレトリバー。
休むのはともかく、連絡が無いなんて珍しくて少し気になってしまう。
そして結局、その日空人は学校に来なかった。
朱莉となんとか1日を終え、HRが終わった後に笹山に職員室に呼び出された。
「これ、柳楽に渡しといてくれ」
それは今日貰ったプリントで、もうすぐ修学旅行があるからという保護者へのプリントとかその他諸々の。
「頼んでもいいか?」
「あ、はい」
「ありがとう、助かる」
高校2年生の大イベントである修学旅行。
少しずつ準備を始め、日にちが近付いたことからクラスメイト達は少しずつ浮つき始めている。
雫玖の一回忌を終えた次の日、空人は珍しく迎えに来なかった。
先に行ったのかとメールを見ても何も来てないし、送っても既読すら付かなかった。
ちょっと早めに家を出て、空人の家に行っても誰も出てくれなかった。
庭で飼っている犬がクゥンと鳴いている。
「ユキチ、空人居ないの?」
あふぅ、と息を漏らすだけでもちろん答えてはくれない。
お金ばっかりかかるから、と空人が“ユキチ”と名付けたラブラドールレトリバー。
休むのはともかく、連絡が無いなんて珍しくて少し気になってしまう。
そして結局、その日空人は学校に来なかった。
朱莉となんとか1日を終え、HRが終わった後に笹山に職員室に呼び出された。
「これ、柳楽に渡しといてくれ」
それは今日貰ったプリントで、もうすぐ修学旅行があるからという保護者へのプリントとかその他諸々の。
「頼んでもいいか?」
「あ、はい」
「ありがとう、助かる」
高校2年生の大イベントである修学旅行。
少しずつ準備を始め、日にちが近付いたことからクラスメイト達は少しずつ浮つき始めている。