うみに溺れる。


「そろそろ行くか」

「うん」


空人の言葉の意味が分かったのか、ワンっと元気よく鳴いて嬉しそうにしている。


「………ごめんな、」

「ん?」

「…雫玖じゃなくて、俺が生きてて、」

「は、何言ってんの」

「……確かに、俺何言ってんだろうな。ごめん、忘れて」

「どっちが居なくなっても、私は嫌だよ」


だからもう二度とそんな事言わないで。
ごめん。


なんだか最近の私達は謝ってばかりだ。

< 27 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop