うみに溺れる。
***
「あ、サンキュー…」
小さい頃によく遊んでいた公園のベンチに座ると、雫玖から無言のまま手渡されたコーラを受け取った。
あの頃は広くて遊具も大きかったのに、久しぶりに来ると狭く小さく感じて自分が大人になったのだなと思った。
「ねぇ、空人。空人は海の事、好き?」
「そりゃ、好き…だけど、」
俺の隣に座るなり雫玖はプシュッと缶を開けてコーラをひと口飲んだ。
「違う、幼なじみとしてじゃなくてさ」
「は、何言ってんだよ。お前ら付き合ってんのに」
一緒に連れて来たユキチはベンチに座る俺の膝に顔を乗せて、撫でて撫でてとアピールしてくる。
わしわしと撫で回すと気持ちよさそうに目を瞑った。
「海と付き合う前に空人に何も相談してなかったから聞きたくて」
「…心配しなくても、俺が海に対して思う“好き”は幼なじみとしてだよ」
「……そっか」
確認したかっただけなのか。
意外と雫玖にもそんな一面があったのかと思うと、なんだかむず痒くなった。
「あ、サンキュー…」
小さい頃によく遊んでいた公園のベンチに座ると、雫玖から無言のまま手渡されたコーラを受け取った。
あの頃は広くて遊具も大きかったのに、久しぶりに来ると狭く小さく感じて自分が大人になったのだなと思った。
「ねぇ、空人。空人は海の事、好き?」
「そりゃ、好き…だけど、」
俺の隣に座るなり雫玖はプシュッと缶を開けてコーラをひと口飲んだ。
「違う、幼なじみとしてじゃなくてさ」
「は、何言ってんだよ。お前ら付き合ってんのに」
一緒に連れて来たユキチはベンチに座る俺の膝に顔を乗せて、撫でて撫でてとアピールしてくる。
わしわしと撫で回すと気持ちよさそうに目を瞑った。
「海と付き合う前に空人に何も相談してなかったから聞きたくて」
「…心配しなくても、俺が海に対して思う“好き”は幼なじみとしてだよ」
「……そっか」
確認したかっただけなのか。
意外と雫玖にもそんな一面があったのかと思うと、なんだかむず痒くなった。