うみに溺れる。


「…じゃあなんで避けんの?」

「は?」

「最近僕達の事避けてるよね?」

「別に避けてなんか、」

「海が心配してた、どうしたんだろうって」


なんで、分かんねぇの。
なんでわざわざ答えさせようとするんだよ。

…あぁ、ダメだ。イライラする。


「俺はお前らの為に気を使ってやってんの!」

「幼なじみなんだから今更気を使う必要なんかないでしょ」

「は、お前さ、それ本気で言ってんの?付き合ってる2人の間に俺がいたら邪魔だろうが」

「なに、それ…」

「ちょっと考えれば分かるだろ。もう今までみたいにずっと一緒に居れねぇの!」


俺でさえ分かる事をなんで雫玖は分からないんだ。


「………こうなるなら、付き合わなきゃ良かった」

「は?」

「空人が離れてくなら、」

「別に海と付き合ったからってこれから一生関わらないってわけじゃねぇだろ、俺が言ってるのは今までみたいに…」


小さい頃からずっと一緒だった。
3人セットが当たり前だった。
…多分それは、依存に近いものがどこかにあったんだと思う。

雫玖の思い詰めたような顔を見て言葉を詰まらせてしまった。
雫玖は海と居る時よりも俺の前だと感情を表に出すようになった。

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