うみに溺れる。


「こんなの、暴力と変わらないって頭では分かってても止められないんだ」

「っ、雫玖」

「……いつも、なんで空人なんだろうね」


海と趣味が合うのは空人。
好きな食べ物も嫌いな食べ物も空人達はほとんど同じで、空人は友達も多くてなにより両親に愛されてる。

おばさんは単身赴任中でもたまに帰って来てるでしょ?僕見かけた事あるよ。


「僕はあいつの影響で誰かと仲良くするのが昔から怖かったのに、空人は色んな人と仲良くて羨ましかった」

「そんなの、」

「ねぇ、僕が空人に勝ってるとこってどこ?」


声はいつも通り優しいのに、どこか冷たくて恐怖を感じるのはどうしてか。


「ねぇ、空人」

「…なんだよ、」

「……僕、似てる?父さんに」



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