ショートケーキは恋の味。


「...............いや、そーいうことじゃなくて、」



今度はなんだか、
難しそうな顔をする寺川くん。



だけど、その顔の意味すら分からなくって。



「そーゆうことじゃなくて?」



寺川くんの言葉を、
オウム返しするように尋ねると。



──────ギュッ



と、突然、寺川くんの体温に包み込まれて。



「っ、シンプルに、俺以外、褒めないで、」



その直後、聞こえてきたのは、
今にも、消えそうな寺川くんの声。



寺川くんの言葉の真意は分からないけど。



でも...........................



「寺川くんは凄いよ!」



たった1つ、
誰がなんと言おうと、
自信を持って言い切れることを口にした。


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