ショートケーキは恋の味。


すると.....................



「っ、永倉って、褒めんの上手すぎ、」



さっきよりも聞き取りやすい、
寺川くんの声が聞こえてきたかと思えば。



「俺ばっか、才能ねーの、
憧れてる人たちに追いつけねーの、」



私に語りかけるようにそう言うと。



「っ、こんな俺じゃだめだって思うのに。
永倉のこと、取られんのだけはムカつく」



そのままうんと低い声が耳に響いて。



ぎゅうと、寺川くんが、
腕に力を込めてるのが伝わってきた。



さすがに、
これにはドキドキしちゃうっ。



だけど、そのドキドキを隠しながら........................



ギュッと、寺川くんを抱きしめ返すと。



「寺川くんの凄さは、私が1番分かってるから」



──────最大限、寺川くんを褒めた。


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