ショートケーキは恋の味。
【06.】ショートケーキは恋の味。
寺川くんとハグしてしまってから数日。
今日は、部活のない金曜日の放課後で。
調理室Bに、
寺川くんと2人きりでいるんだけど.........
「...............、寺川くん、いいの、?」
「いいっ、つってんだろ」
そう、私の目の前にあるのは。
─────寺川くんが作ったショートケーキ。
私に食べていいと言ってくれてる、
寺川くんの顔は、〝イチゴ〟のように真っ赤。
そんな、寺川くんを見て、
〝私まで、照れましたっ、〟なんて言えるハズもなく。
「.........っ、ありがとうっ、」
俯きながら、静かにフォークを持ったと同時。