ショートケーキは恋の味。
名前は、寺川咲斗くん。
てゆうか、寺川くんってなんだか............
(すごく、甘い香りが漂ってくる、)
そう思うと止められなくって。
「っ、ばか!近寄んな!!」
「うわわ!ごめんね!寺川くん!」
甘い香りに誘われて、
寺川くんに言われるまで気づかなかったけど、
気づけば距離は30センチほどまで近づいていた。
そして、寺川くんから少し距離を取ると。
「っ、別にいーけど。恥ずかしいから、
このこと、誰にも言うんじゃねーぞ。永倉」
そう言って、ギロリと私を睨んでくる視線。
「ぅ、ひっ、いま、名前っ!」
ほんの少し、
視線にビックリしたけど、それよりも............
(寺川くんって、名前覚える人、なんだ、)
心の中で不意にそう思ったとき。