ショートケーキは恋の味。


すると.................................



「っ、永倉ってほんと素直。
こっちが、照れるっつーのっ、」



そう言って、
本当に照れた顔を覗かせる寺川くん。



その顔を見てるだけで、
なんだかニヤニヤしてしまった私は。



「ふふっ。なんか、
照れてる寺川くん、かわいーね」



頭をポンポンと撫でながら、そう言った。



すると。



「っ、永倉のばーか
かわいいのは、永倉の方だっつの」



そんな寺川くんの声が聞こえてきたと同時。



──────ギュッと。



甘い、ショートケーキの香りに包まれた。



「〜〜っ、」

「っ、」



お互い何も言えなかったけど。



そのハグは、2人の、
ショートケーキのような甘い恋の始まり。





fin.
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