Rescue Me
── お願い、せっかく見つけた仕事なのに初日に解雇しないでよ……。
内心冷や汗をかきながら八神さんに頭を下げた。
「七瀬蒼です。よろしくお願いします」
「八神です。既に月城さんとは話をしてあるので、とりあえず私の後について来てください。今から七瀬さんの仕事について説明します」
私は頭に疑問符を浮かべながら黙って彼の後を歩いた。
八神さんは16階のエレベーターのボタンを押すと口を開いた。
「七瀬さんには本日より社長秘書の仕事をしていただきたいと思います」
「えっ…?」
思わず絶句する。いきなり社長秘書とは何かの手違いじゃないだろうか?
「あの、わたし企画部に応募したんですが……。それに秘書としての経験もありません」
「大丈夫です」
八神さんはエレベーターから降りると廊下をどんどん歩いていく。
「七瀬さんは帰国子女でTOEICのスコアもほぼ満点です。しかも秘書検定もお持ちですね」
いやいや、秘書検定といっても3級だ。以前就職活動をしている時に何か履歴書に書ける物があればと思い受けただけだ。
「実は先月ある事情で秘書が辞めたんですが、なかなか後を引き継ぐ人がみつからなくて困っていたところだったんです。今は臨時で五十嵐さんが社長の秘書をしているんですが、彼はもともとあまり英語が得意ではなくて。僕も忙しくてなかなか手が回らない状態なんです」
八神さんは廊下の奥にある部屋に入った。そこにはデスクがいくつかあり、さらに奥に部屋がある。八神さんはその扉をノックしてドアを開けた。
「おい颯人、連れて来たぞ」
その馴れ馴れしい呼び方に少しびっくりする。もしかして八神さんはただの秘書室長ではなく、もっと親しい間柄なのかもしれない。
内心冷や汗をかきながら八神さんに頭を下げた。
「七瀬蒼です。よろしくお願いします」
「八神です。既に月城さんとは話をしてあるので、とりあえず私の後について来てください。今から七瀬さんの仕事について説明します」
私は頭に疑問符を浮かべながら黙って彼の後を歩いた。
八神さんは16階のエレベーターのボタンを押すと口を開いた。
「七瀬さんには本日より社長秘書の仕事をしていただきたいと思います」
「えっ…?」
思わず絶句する。いきなり社長秘書とは何かの手違いじゃないだろうか?
「あの、わたし企画部に応募したんですが……。それに秘書としての経験もありません」
「大丈夫です」
八神さんはエレベーターから降りると廊下をどんどん歩いていく。
「七瀬さんは帰国子女でTOEICのスコアもほぼ満点です。しかも秘書検定もお持ちですね」
いやいや、秘書検定といっても3級だ。以前就職活動をしている時に何か履歴書に書ける物があればと思い受けただけだ。
「実は先月ある事情で秘書が辞めたんですが、なかなか後を引き継ぐ人がみつからなくて困っていたところだったんです。今は臨時で五十嵐さんが社長の秘書をしているんですが、彼はもともとあまり英語が得意ではなくて。僕も忙しくてなかなか手が回らない状態なんです」
八神さんは廊下の奥にある部屋に入った。そこにはデスクがいくつかあり、さらに奥に部屋がある。八神さんはその扉をノックしてドアを開けた。
「おい颯人、連れて来たぞ」
その馴れ馴れしい呼び方に少しびっくりする。もしかして八神さんはただの秘書室長ではなく、もっと親しい間柄なのかもしれない。