Rescue Me
丁度お蕎麦屋さんの前まで来た私達は、お店のドアをガラリと開けた。
厨房では数人の男性が忙しそうに料理をしていて、食欲をそそる蕎麦の匂いと、茹でる湯気が立ち込めている。
私達は店員に席まで案内されると、久我さんは蕎麦とカツ丼の定食、私は天ぷら蕎麦をそれぞれ注文をした。
「七瀬さんはどうして秘書になったの?」
久我さんは私にお水の入ったグラスを渡しながら尋ねた。
「実は秘書になろうと思って入社したんじゃないんです。当時辞めた秘書の代わりを急いで探していて、たまたま英語が喋れて秘書検定を持っていた私に秘書の仕事がまわってきたんです」
「そうなんだ。確かに七瀬さんの英語すごいよな。いつも完璧な発音で喋ってて羨ましいなと思ってたんだ。どこでそんな英語を習ったんだ?」
「実は高校から大学までニューヨークに住んでたんです。父が駐在員でニューヨークの会社に転勤になって家族でアメリカに移ったんです」
「へー、それでか。ニューヨークかぁ。一度行って見たいな」
「ぜひ!春とかすごく綺麗なんですよ。日本の様に桜がたくさん咲くところがあって。冬は冬でまたすごく綺麗なんです。夏は暑いんですけど」
私は七年以上住んだ懐かしいニューヨークを思い浮かべた。
タイムズスクエアやセントラルパーク、近所にあった美味しいベーカリーやブロードウェイで見たミュージカルなど次々と浮かんでくる。
「だけど俺も七瀬さんみたいに英語が喋れないと行けないだろうな」
「そんな事ないですよ。アメリカは色々な人種の人がいて英語が喋れない人もたくさん住んでるんです。だから皆英語が喋れない人に慣れてるんです。聞き取りがなんとかできればあとは身振り手振りで結構通じるんですよ」
厨房では数人の男性が忙しそうに料理をしていて、食欲をそそる蕎麦の匂いと、茹でる湯気が立ち込めている。
私達は店員に席まで案内されると、久我さんは蕎麦とカツ丼の定食、私は天ぷら蕎麦をそれぞれ注文をした。
「七瀬さんはどうして秘書になったの?」
久我さんは私にお水の入ったグラスを渡しながら尋ねた。
「実は秘書になろうと思って入社したんじゃないんです。当時辞めた秘書の代わりを急いで探していて、たまたま英語が喋れて秘書検定を持っていた私に秘書の仕事がまわってきたんです」
「そうなんだ。確かに七瀬さんの英語すごいよな。いつも完璧な発音で喋ってて羨ましいなと思ってたんだ。どこでそんな英語を習ったんだ?」
「実は高校から大学までニューヨークに住んでたんです。父が駐在員でニューヨークの会社に転勤になって家族でアメリカに移ったんです」
「へー、それでか。ニューヨークかぁ。一度行って見たいな」
「ぜひ!春とかすごく綺麗なんですよ。日本の様に桜がたくさん咲くところがあって。冬は冬でまたすごく綺麗なんです。夏は暑いんですけど」
私は七年以上住んだ懐かしいニューヨークを思い浮かべた。
タイムズスクエアやセントラルパーク、近所にあった美味しいベーカリーやブロードウェイで見たミュージカルなど次々と浮かんでくる。
「だけど俺も七瀬さんみたいに英語が喋れないと行けないだろうな」
「そんな事ないですよ。アメリカは色々な人種の人がいて英語が喋れない人もたくさん住んでるんです。だから皆英語が喋れない人に慣れてるんです。聞き取りがなんとかできればあとは身振り手振りで結構通じるんですよ」