Rescue Me
「申し訳ありません。気付きませんでした」
携帯から顔をあげて桐生さんを見上げると、彼はじっと久我さんを見つめていた。振り返って久我さんを見ると彼も桐生さんを見ている。
久我さんはしばし桐生さんを真っ直ぐに見つめ返した後、視線を私に戻した。
「七瀬さん、お昼付き合ってくれてありがとう。それじゃまた後で。社長、お疲れ様です」
そう言うと久我さんは秘書室へ去って行った。そんな久我さんを桐生さんはしばし見た後、ため息をついた。
「久しぶりに一緒に昼飯でもどうかと思って帰ってきたんだが、一歩遅かったみたいだな」
「ごめんなさい。せっかく帰ってきてくれたのに……。桐生さんご飯は食べたんですか?」
久しぶりに桐生さんと一緒にお昼を食べるチャンスを逃した事にがっかりする。
「いや、まだだ」
「ええっ?そんな……今すぐにお昼を買ってきます!」
慌ててエレベーターに戻ろうとすると、桐生さんは私の手を握りしめた。
「いや、もう時間が無いからいい。出先で何か食べるから。その代わり今日は早く帰ってくるから一緒に帰ろう」
桐生さんは誰もいないことを確認すると私の頬にキスをした。しかしその後何か言いたげに私の手を掴んだまま離さない。
「……どうしたんですか……?」
私は首を傾げて彼を見た。すると彼は何か言いたかった事を飲み込むかのように目を伏せ、私の手をもう一度強く握りしめた。
「いや、なんでもない……。また後でな」
そう言って桐生さんはタイミング良く来たエレベーターに乗り込んだ。
携帯から顔をあげて桐生さんを見上げると、彼はじっと久我さんを見つめていた。振り返って久我さんを見ると彼も桐生さんを見ている。
久我さんはしばし桐生さんを真っ直ぐに見つめ返した後、視線を私に戻した。
「七瀬さん、お昼付き合ってくれてありがとう。それじゃまた後で。社長、お疲れ様です」
そう言うと久我さんは秘書室へ去って行った。そんな久我さんを桐生さんはしばし見た後、ため息をついた。
「久しぶりに一緒に昼飯でもどうかと思って帰ってきたんだが、一歩遅かったみたいだな」
「ごめんなさい。せっかく帰ってきてくれたのに……。桐生さんご飯は食べたんですか?」
久しぶりに桐生さんと一緒にお昼を食べるチャンスを逃した事にがっかりする。
「いや、まだだ」
「ええっ?そんな……今すぐにお昼を買ってきます!」
慌ててエレベーターに戻ろうとすると、桐生さんは私の手を握りしめた。
「いや、もう時間が無いからいい。出先で何か食べるから。その代わり今日は早く帰ってくるから一緒に帰ろう」
桐生さんは誰もいないことを確認すると私の頬にキスをした。しかしその後何か言いたげに私の手を掴んだまま離さない。
「……どうしたんですか……?」
私は首を傾げて彼を見た。すると彼は何か言いたかった事を飲み込むかのように目を伏せ、私の手をもう一度強く握りしめた。
「いや、なんでもない……。また後でな」
そう言って桐生さんはタイミング良く来たエレベーターに乗り込んだ。