Rescue Me
「ごめんなさい……本当にごめんなさい……」
レストランの客がジロジロと見る中、私は久我さんとガラスの破片を片付けに来たお店の人に何度も謝った。
「大丈夫……大丈夫だから……」
久我さんはそう言いながら私の肩を抱き寄せた。
「蒼……?」
声が聞こえて私と久我さんは後ろを振り返った。そこには驚いた顔をした桐生さんがいる。久我さんが私の肩を抱いているのを見て一瞬顔を強張らせたものの、突然青ざめながら慌てて駆け寄ってきた。
「手から血が出てる……」
「え……?」
そう言われて自分の手を見るとポタポタと血が床に滴り落ちている。私はびっくりして思わず手を庇うように握りしめた。
「……久我……お前は一体何やってるんだ!」
桐生さんは低い声で唸る様に言うと、ドンっと久我さんを突き飛ばし私を抱き寄せた。そして私達が座っていたテーブルからナプキンを奪い取ると私の怪我をしている手に巻きつけた。
桐生さんは今まで見た事がないほど怒っていて、今にも久我さんに飛びかかりそうな勢いだ。私は焦って桐生さんを止めた。
「待って!違うんです!私が不注意でグラスを落としてしまって……。久我さんは触るなって止めてくれたんですけど私が勝手に拾おうとしたんです!」
桐生さんと久我さんはお互い睨み合っていて場は修羅場と化していく。
「見せてみろ」
桐生さんは久我さんから目を離すと、充てがっていたナプキンをそっと取りのぞき私の指を見た。
「大丈夫……そんなに深くは切ってないと思う……」
自分の指を見るものの、頭の中がぐちゃぐちゃで痛みすら感じない。
「大丈夫か?」
桐生さんは心配そうに私を覗き込んだ。すると後ろから結城さんがやって来た。
「ちょっと颯人、何やってるの!?」
彼は結城さんには見向きもせず、私の指を見ながら湧き出る血を必死に止めようとしている。そんな桐生さんに苛立ってか、結城さんは私を押し退けると彼の腕に手を置いた。
レストランの客がジロジロと見る中、私は久我さんとガラスの破片を片付けに来たお店の人に何度も謝った。
「大丈夫……大丈夫だから……」
久我さんはそう言いながら私の肩を抱き寄せた。
「蒼……?」
声が聞こえて私と久我さんは後ろを振り返った。そこには驚いた顔をした桐生さんがいる。久我さんが私の肩を抱いているのを見て一瞬顔を強張らせたものの、突然青ざめながら慌てて駆け寄ってきた。
「手から血が出てる……」
「え……?」
そう言われて自分の手を見るとポタポタと血が床に滴り落ちている。私はびっくりして思わず手を庇うように握りしめた。
「……久我……お前は一体何やってるんだ!」
桐生さんは低い声で唸る様に言うと、ドンっと久我さんを突き飛ばし私を抱き寄せた。そして私達が座っていたテーブルからナプキンを奪い取ると私の怪我をしている手に巻きつけた。
桐生さんは今まで見た事がないほど怒っていて、今にも久我さんに飛びかかりそうな勢いだ。私は焦って桐生さんを止めた。
「待って!違うんです!私が不注意でグラスを落としてしまって……。久我さんは触るなって止めてくれたんですけど私が勝手に拾おうとしたんです!」
桐生さんと久我さんはお互い睨み合っていて場は修羅場と化していく。
「見せてみろ」
桐生さんは久我さんから目を離すと、充てがっていたナプキンをそっと取りのぞき私の指を見た。
「大丈夫……そんなに深くは切ってないと思う……」
自分の指を見るものの、頭の中がぐちゃぐちゃで痛みすら感じない。
「大丈夫か?」
桐生さんは心配そうに私を覗き込んだ。すると後ろから結城さんがやって来た。
「ちょっと颯人、何やってるの!?」
彼は結城さんには見向きもせず、私の指を見ながら湧き出る血を必死に止めようとしている。そんな桐生さんに苛立ってか、結城さんは私を押し退けると彼の腕に手を置いた。