Rescue Me
颯人は身も心も引き裂かれる思いで、蒼が久我に連れて行かれるのをただ呆然と見つめた。何かとても大切なものを失いかけている気がして、二人がレストランを出て行った姿が頭から離れない。
冴子に引きずられるように席に戻ると、皆それぞれにワインを飲みながら談笑している。颯人も何とか気を落ち着けようとワイングラスに手を伸ばした。すると隣にいた父親が彼にボソリと呟いた。
「……颯人、アメリカには結城さんを連れて行きなさい」
「俺の秘書としてってことですか?」
颯人はグイッとワインを仰いだ。
「秘書としても、それから人生の伴侶としてもだ」
その言葉に、颯人は思わずワインを置くと呆然と父親を見つめた。
「七瀬さんという子は確かに優しくていいお嬢さんかもしれない。ただお前の妻としては力不足だ。お前はこれからこの会社を引き継いで大きくしていく身だ。人脈や経済的にも力となって支えてくれる人が必要になる。結城さんはお前にとって色々な面で力となってくれるだろう。お前もここ数ヶ月彼女と一緒に過ごしてよくそれがわかったはずだ」
颯人は父親の言葉を信じられない思いで聞いた。左隣に視線を移すと、冴子がにこりと彼に微笑んだ。
冴子に引きずられるように席に戻ると、皆それぞれにワインを飲みながら談笑している。颯人も何とか気を落ち着けようとワイングラスに手を伸ばした。すると隣にいた父親が彼にボソリと呟いた。
「……颯人、アメリカには結城さんを連れて行きなさい」
「俺の秘書としてってことですか?」
颯人はグイッとワインを仰いだ。
「秘書としても、それから人生の伴侶としてもだ」
その言葉に、颯人は思わずワインを置くと呆然と父親を見つめた。
「七瀬さんという子は確かに優しくていいお嬢さんかもしれない。ただお前の妻としては力不足だ。お前はこれからこの会社を引き継いで大きくしていく身だ。人脈や経済的にも力となって支えてくれる人が必要になる。結城さんはお前にとって色々な面で力となってくれるだろう。お前もここ数ヶ月彼女と一緒に過ごしてよくそれがわかったはずだ」
颯人は父親の言葉を信じられない思いで聞いた。左隣に視線を移すと、冴子がにこりと彼に微笑んだ。