Rescue Me
私と結城さんは会社から少し離れたカフェに入ると奥にある席に着いた。お互いに紅茶を注文すると彼女は徐に口を開いた。
「颯人ね、来年から会長の事業を引き継ぐ為にアメリカに行くことになっているの」
「アメリカ……」
結城さんの言葉に桐生さんの言っていた事を思い出した。彼はまだ仕事の事で私に話していない事があると言っていた。確か何かを待っていると言っていた。この事だろうかと思うものの何か少し違う気がする。
「それでね、私、彼と一緒にアメリカに行くことになっているの。でもね、彼、あなたとの事があって色々と迷っているみたいなの。ほら颯人ってとても優しいでしょう?きっとあなたをここに残して行けないと思っているのね」
結城さんは優雅な所作で紅茶を一口飲んだ。
「颯人はね、とても未来ある桐生の後継者なの。これからは会長の事業をお兄さんの海斗さんと一緒に継いで大きくしていかなければならない。彼には経済的にも人脈作りにも私の様な彼をしっかりと支えられる人が必要になってくる。少なくとも会長はそう思っている。会長は私が颯人と結婚して、アメリカに一緒に行って彼を支えて欲しいと思っているの」
……桐生さんのお父さんが結城さんとの結婚を進めているとすると私と桐生さんの事を知らないか、もしくは私の事に反対しているかのどちらかだ。……おそらく後者の方に違いない。
「颯人ね、来年から会長の事業を引き継ぐ為にアメリカに行くことになっているの」
「アメリカ……」
結城さんの言葉に桐生さんの言っていた事を思い出した。彼はまだ仕事の事で私に話していない事があると言っていた。確か何かを待っていると言っていた。この事だろうかと思うものの何か少し違う気がする。
「それでね、私、彼と一緒にアメリカに行くことになっているの。でもね、彼、あなたとの事があって色々と迷っているみたいなの。ほら颯人ってとても優しいでしょう?きっとあなたをここに残して行けないと思っているのね」
結城さんは優雅な所作で紅茶を一口飲んだ。
「颯人はね、とても未来ある桐生の後継者なの。これからは会長の事業をお兄さんの海斗さんと一緒に継いで大きくしていかなければならない。彼には経済的にも人脈作りにも私の様な彼をしっかりと支えられる人が必要になってくる。少なくとも会長はそう思っている。会長は私が颯人と結婚して、アメリカに一緒に行って彼を支えて欲しいと思っているの」
……桐生さんのお父さんが結城さんとの結婚を進めているとすると私と桐生さんの事を知らないか、もしくは私の事に反対しているかのどちらかだ。……おそらく後者の方に違いない。