Rescue Me

第25章

 「Are you here for business or just visiting?」
 (仕事ですか、それとも観光ですか?)

 「We are here for a vacation. 」
 (休暇で来ました。)

 「Great! Where are you staying? Oh Downtown San Francisco? You should go to ── 」
 (いいね。 何処に滞在するの?え、ダウンタウン? それならあそこへ行ったら ── )

 私と桐生さんはサンフランシスコの入国審査で審査官の質問に答えている。

 私達は日本を月曜日の夕方に成田空港から出発して時差の関係で同日の月曜日の朝にサンフランシスコに着いた。

 入国審査と彼の長い世間話を聞き終わると、荷物を受け取り予約していたレンタカーを借りて桐生さんの運転でホテルに向かう。アメリカは日本とは運転する車線が逆なので違和感があるものの、彼は慣れているのか何の問題もなく運転していく。

 「わぁ、私サンフランシスコに来るの初めてです!」

 ニューヨークとは全く違う景色に思わず食い入る様に見つめた。

 「まずホテルに今チェックインできるか聞いてみよう。できなかったら荷物だけ預けて、ホテルの駐車場に車をとめてそこからホテルの周りを歩いても良いし、それかこのまま運転してサンフランシスコを観光してもいい」

 桐生さんはそう言いながら車を走らせた。

 「もし颯人さんが疲れてなかったら、少しだけサンフランシスコの街を見てみたいです」

 窓の外を見ながら答えると、彼は「了解」と言って高速道路に乗りダウンタウンの方へと車を走らせた。

 しばらく高速を走っていると、遠くにダウンタウンが見えて来た。流石にマンハッタンや東京と比べるとかなり小さいが、それでも大きな街だ。

< 189 / 224 >

この作品をシェア

pagetop