Rescue Me
 「Would you like to take a tour of our house?」
 (家の中を見てみる?)

 現在この家を改装中だと言うので早速見せてもらうことにする。この家は元々彼らが昔住んでいた家で、少し前までは彼女のご両親が住んでいた。しかしご両親も別に家を買うことになり、この家を綺麗にリモデルして売ることにしたらしい。全て工事が終わればこの家はあっという間に売れるに違いない。

 一階はとても開放的で広々としたリビング、大きなキッチンとフォーマルダイニングルーム、そして小さなゲストルームが一つあって、二階には寝室が4つもある。裏庭も広々としていて、大きなバルコニーにはアウトドアのリビングスペースもあり、遠くにダウンタウンが見える。

 二階や一階はほぼ綺麗に修理が終わっていて、あとは裏庭やアウトドアリビングスペースをリモデルするのみとなっている。

 「What do you think?」
 (どう思う?)

 「I think you have a beautiful house!」
 (とても素晴らしい家だと思います!)

 「 I think I already have a buyer.」
 (実はもう買い手がいるような気がするの)

 彼女はそう言ってなぜか私にウインクをした。


 その後、リアムは自分の家で感謝祭を祝うと言って帰って行き、私と桐生さんはケイラブの家族と一緒に七面鳥など感謝祭の料理をご馳走になる。その後、一緒にボードゲームをしたりとても楽しいひと時を過ごした。

 ホテルへの帰り道、桐生さんは運転をしながら私の手を握った。

 「蒼はここの生活合ってるんじゃないか?」

 「実は私も颯人さんの事同じ様に思っていました」

 桐生さんが私と同じ事を考えていた事に思わず笑ってしまう。

 「あの家、どう思う?」

 「すごく素敵です!まだリモデル中ですけど庭もすごく綺麗で広くて……。改装が全て終わったら売りに出すって言ってましたけど、でもすでに買い手がいるかもしれないって言ってましたよ」

 そう言うと桐生さんは私を優しく見て微笑んだ。
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