Rescue Me
 「ポテトの調子どう?」

 私を見て嬉しそうに寝たまま力無く尻尾を振っているポテトの頭を撫でながら、佳奈さんに尋ねた。

 「あまり良くないわね。もうあまり長くないかも。覚悟をしておいたほうがいいかもね」

 佳奈さんは悲しそうにポテトを見た。

 私は新しく買ってきたぬいぐるみをポテトの前に置いた。もちろんポテトはちらっと見ただけでまた目を閉じてしまった。それでもずっと一緒にいてあげられない自分の分身だと思って、そのぬいぐるみをポテトの傍に置いた。

 「佳奈さん、もしポテトの容体が変わったらいつでも知らせて。すぐに駆けつけるから」

 ここ半年ほどずっとポテトの世話をしてきた。連休の日などは自分のアパートに連れて帰り、一緒に過ごしたこともある。

 保護された犬はあっという間に里親やフォスターが見つかる場合もあるが、こうして何ヶ月も引き取り手がいない場合もある。ずっと世話をしていたことで、情が移ってしまい自分の犬がこうして癌で死んだときの事を思い出してしまう。

 「ポテト。また明日も必ず来るからね。私がいない間に天国にいかないでね」

 私は痩せ細ったポテトの体を一生懸命撫でた。
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