Rescue Me
右側は腫瘍が大きくてすぐに切り取らないと破裂してしまうと言われた。そして医者は左側の卵巣にも数個の腫瘍がある為両方切り取る手術を勧めた。
その時のショックは今でも忘れる事ができない。病院を出た後、車の中でしばらく泣き、やっと落ち着いてから一人で運転して帰ったのを覚えている。
その後、颯人さんと色々と相談し、もっと大きな病院で診てもらう事にした。
結局右側の卵巣はあまり機能しないと言われたが私の希望で切り取らず、腫瘍を何とか剥がす手術をしてもらった。そして左側は腫瘍があるもののまだ小さいのでこのまま残して様子を見ようという事になった。
そうして手術をし、回復した私は本格的に不妊治療を始めた。
まず医者と相談し、排卵誘発剤を飲んで排卵のタイミングを計りながら自然な方法での妊娠を試みた。しかし数ヶ月試したものの結局妊娠しなかった。
そして今私と颯人さんは『IUI』という子宮内人工授精の方法を試している。今回でこの治療は3回行ったのだが、未だ妊娠には至らない。
「蒼……」
颯人さんは私の顎を掴むと視線を彼に合わせた。そして優しく微笑むと私にキスをした。彼は私に「愛してる。大丈夫」と必死に伝えようとしている。そんな彼の優しさに救われ、私は両腕を彼の首にまわして抱きついた。
「おかえりなさい。今日はどうだった?」
「まあまあかな。今ケイラブとリアムがウェアラブルデバイスへの市場に興味を持ってて、そこにうちの技術を埋め込んで市場拡大できるか考えてる所なんだ。今日の会議でその為の案をいくつか提案してて今協議中。きっと二、三日は休みが取れると思う」
颯人さんは私にもう一度キスをした。そして家の中で踊っている人を見ながらため息をつくと「まず、全員追い出そう」と言ってリビングの方へ歩いて行った。
その夜、時差などで疲れた事もあり、皆それぞれ早々に寝室へと引き上げた。私がキッチンで後片付けをしていると母がやってきた。
「蒼、これ頼まれてたお守り」
母は子宝や安産のお守りをいくつか私にくれた。
「ありがとう……」
私は母から受け取ったお守りを握りしめた。
アメリカで手に入る子宝のお守りは手に入れるだけ手に入れた。でも日本からの御守りはこれが初めてだ。次こそはうまくいくだろうかと思うものの、もしかすると一生子供が持てないのではないかと不安になる。
その時のショックは今でも忘れる事ができない。病院を出た後、車の中でしばらく泣き、やっと落ち着いてから一人で運転して帰ったのを覚えている。
その後、颯人さんと色々と相談し、もっと大きな病院で診てもらう事にした。
結局右側の卵巣はあまり機能しないと言われたが私の希望で切り取らず、腫瘍を何とか剥がす手術をしてもらった。そして左側は腫瘍があるもののまだ小さいのでこのまま残して様子を見ようという事になった。
そうして手術をし、回復した私は本格的に不妊治療を始めた。
まず医者と相談し、排卵誘発剤を飲んで排卵のタイミングを計りながら自然な方法での妊娠を試みた。しかし数ヶ月試したものの結局妊娠しなかった。
そして今私と颯人さんは『IUI』という子宮内人工授精の方法を試している。今回でこの治療は3回行ったのだが、未だ妊娠には至らない。
「蒼……」
颯人さんは私の顎を掴むと視線を彼に合わせた。そして優しく微笑むと私にキスをした。彼は私に「愛してる。大丈夫」と必死に伝えようとしている。そんな彼の優しさに救われ、私は両腕を彼の首にまわして抱きついた。
「おかえりなさい。今日はどうだった?」
「まあまあかな。今ケイラブとリアムがウェアラブルデバイスへの市場に興味を持ってて、そこにうちの技術を埋め込んで市場拡大できるか考えてる所なんだ。今日の会議でその為の案をいくつか提案してて今協議中。きっと二、三日は休みが取れると思う」
颯人さんは私にもう一度キスをした。そして家の中で踊っている人を見ながらため息をつくと「まず、全員追い出そう」と言ってリビングの方へ歩いて行った。
その夜、時差などで疲れた事もあり、皆それぞれ早々に寝室へと引き上げた。私がキッチンで後片付けをしていると母がやってきた。
「蒼、これ頼まれてたお守り」
母は子宝や安産のお守りをいくつか私にくれた。
「ありがとう……」
私は母から受け取ったお守りを握りしめた。
アメリカで手に入る子宝のお守りは手に入れるだけ手に入れた。でも日本からの御守りはこれが初めてだ。次こそはうまくいくだろうかと思うものの、もしかすると一生子供が持てないのではないかと不安になる。