Rescue Me
 社長は車を出すと夜の街を走りだした。私はしばらくチェックしていなかった携帯を取り出した。

 すると佳奈さんから着信が沢山来ている。メッセージも沢山来ていたので急いで読むとポテトの容体が急変して今病院にいるという内容だった。しかも肺に水が溜まりこれ以上の延命はできないとも書いてある。いよいよ恐れていた時が来たのだ。

 「社長、申し訳ありませんがここで降ろしてもらってもいいでしょうか?」

 私は社長にそう言いながら急いで最短で動物病院に行ける方法を調べる。悲しくて涙が出そうだ。

 「どうした?何か忘れ物でもしたのか?」

 社長はそう言いながら道路から視線を少し外して私を覗き込んだ。でもその途端、すぐに車を道路脇に止めた。

 「おい、大丈夫か?顔色がすごい悪いけど具合が悪いのか?」

 「いえ、具合が悪いわけじゃないんですが、少し急ぐ用事ができて…」

 私は社長に手短く事情を説明した。すると彼はすぐに車を発進させた。

 「いいから場所を教えて。今連れて行くから。ほら電話番号をナビに入れて」

 社長は親切にも車を動物病院の方へ走らせた。私はその間に佳奈さんにメッセージを送って、すぐにそちらに向かうと伝える。

 しばらくして動物病院についた私は、社長にお礼を言うと急いで中へ走った。
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