Rescue Me
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その週末。
買い物袋を抱えアパートの前まできた私は、社長が車にもたれ掛かって待っているのを見えて驚いた。
──えっ?もう来てるの?
慌てて携帯の画面で時刻を確認するとまだ1時ちょっと過ぎだ。
今日は社長と一緒に午後ボランティアに行く為、午前中は化粧品や洋服などを買いに出ていた。
平日会社で地味な格好をしている為、週末は思い切りお洒落をして買い物へ行くことにしている。ちょっとした息抜きで、可愛い格好やヘアアレンジが好きな私はこの日ばかりは張り切って支度をして出かけている。
社長との待ち合わせは2時なので、時間には十分余裕があると思って帰ってきた。
「社長、待ち合わせは2時だとお伝えしたと思ってたのですが、もしかして私時間を間違えて伝えていたでしょうか?」
慌てて社長に駆け寄ると、彼はそんな私をまじまじと見つめた。
──そうですよね。別人ですよね……。
私は観念したように目をつむった。
今日は薄い色のワイドパンツと上はクロップトップの白いレースの可愛いシャツで、丈が短くウエストあたりの肌がほんの少しだけ見えるようになっている。
髪は可愛くアップにしていて大きなイヤリングをつけている。メイクも派手ではないが、私の大きな目が強調されるようにしている。
本当は社長が迎えにくるまでに一度会社用の地味な格好に着替えようと思っていたのに、これでは水の泡だ。