Rescue Me
「これが昨日保護された犬です。大体こんな感じで引き取られるんです」
見ると先ほど見たペットホテルの個室と似たような感じの檻の中に犬が二頭ほどいて、一匹は白く、柴犬と何かの雑種のようだ。合わない首輪でもはめられていたのか首の周りの皮膚が爛れ、毛並みもゴワゴワで痩せこけ酷い状態だ。
「この犬は飼い主からネグレクトされてて、外にずっと鎖に繋がったまま放置されてたんです。それで最後に保健所に捨てられたんです」
犬はそんな酷い仕打ちを受けたのに、人懐こく蒼が餌をやると喜んで食べている。
「いい子だね〜。後でシャンプーして薬塗ってあげるからね」
蒼は撫でながら首の周りの怪我をチェックしている。その後、彼女はもう一匹檻の隅で蹲っている子犬へと近寄った。
彼女が近寄るにつれ、怯えたように姿勢を低くし、体を丸めカタカタと震えている。蒼が注意深く近寄り触ろうとすると、どこか怪我でもして痛いのか悲鳴のような声で鳴き出した。
「その子犬、どこか怪我してるのか?」
颯人が尋ねると、蒼が怯える子犬にそっと触れながら言った。
「この子は多分人間にとても怖い目にあったんだと思うんです。保健所に来た時にはもうすでにこういう状態だったので、どのような経緯があったのかわからないんですが……」
蒼がそっと撫でると、子犬は悲鳴のような鳴き声をやめた。しかしまだ震えていて、相変わらず体は丸まったままだ。
「こういう犬はとても注意しないといけないんです。自己防衛の為に噛み付く場合もあるので。一応保健所から引き取る時に凶暴な犬でないかチェックはするんですが、それでも犬ですから……」
「こういう犬は貰い手がいるのか?引き取るにしてもいつ噛み付くかわからない犬を引き取るのは勇気がいるだろう」
蒼がゆっくりと子犬を撫で続けていると、やがて震えながらも彼女のところに擦り寄ってきた。
「確かに桐生さんのおっしゃる通り、こういう犬は里親やフォスターさんの所に行くにしても、かなり犬の事を知っている人でないと預けられないんです。でも辛抱強く愛情を与え続ければ、そのうちまた心を開いてくれるんです。過去の記憶があって怖いんでしょうけど、本当は愛されたいんです」
見ると先ほど見たペットホテルの個室と似たような感じの檻の中に犬が二頭ほどいて、一匹は白く、柴犬と何かの雑種のようだ。合わない首輪でもはめられていたのか首の周りの皮膚が爛れ、毛並みもゴワゴワで痩せこけ酷い状態だ。
「この犬は飼い主からネグレクトされてて、外にずっと鎖に繋がったまま放置されてたんです。それで最後に保健所に捨てられたんです」
犬はそんな酷い仕打ちを受けたのに、人懐こく蒼が餌をやると喜んで食べている。
「いい子だね〜。後でシャンプーして薬塗ってあげるからね」
蒼は撫でながら首の周りの怪我をチェックしている。その後、彼女はもう一匹檻の隅で蹲っている子犬へと近寄った。
彼女が近寄るにつれ、怯えたように姿勢を低くし、体を丸めカタカタと震えている。蒼が注意深く近寄り触ろうとすると、どこか怪我でもして痛いのか悲鳴のような声で鳴き出した。
「その子犬、どこか怪我してるのか?」
颯人が尋ねると、蒼が怯える子犬にそっと触れながら言った。
「この子は多分人間にとても怖い目にあったんだと思うんです。保健所に来た時にはもうすでにこういう状態だったので、どのような経緯があったのかわからないんですが……」
蒼がそっと撫でると、子犬は悲鳴のような鳴き声をやめた。しかしまだ震えていて、相変わらず体は丸まったままだ。
「こういう犬はとても注意しないといけないんです。自己防衛の為に噛み付く場合もあるので。一応保健所から引き取る時に凶暴な犬でないかチェックはするんですが、それでも犬ですから……」
「こういう犬は貰い手がいるのか?引き取るにしてもいつ噛み付くかわからない犬を引き取るのは勇気がいるだろう」
蒼がゆっくりと子犬を撫で続けていると、やがて震えながらも彼女のところに擦り寄ってきた。
「確かに桐生さんのおっしゃる通り、こういう犬は里親やフォスターさんの所に行くにしても、かなり犬の事を知っている人でないと預けられないんです。でも辛抱強く愛情を与え続ければ、そのうちまた心を開いてくれるんです。過去の記憶があって怖いんでしょうけど、本当は愛されたいんです」