Rescue Me
 「黒木さん、一条専務、あなた方は最近接待と称して高級クラブや風俗店で随分と好き勝手にやっていらっしゃいますね。それに大金を払っているからと随分と乱暴な事をされているとか?しかもお二人でここ最近かなりの大金をご散財だ。一体何処からそのような金を?」

 「何の言いがかりだ。失礼にも程があるぞ!」

 一条専務と黒木部長は顔を真っ赤にしながら社長を睨みつけた。私達の周りには一条専務の剣幕を見て、次第に人が集まってくる。社長はそんな二人をものともせず話を続けた。

 「実は最近高嶺コーポレーションの取引先が、何故か請求額が合わず水増しして払わされているのではと言う噂を聞きました。しかも会社はこれだけじゃない。他にも数社ある。これは正式に御社の社長に相談と調査を依頼していると聞いたので、そのうち黒木さんとあなたの部署それに一条専務にも調査が入るのでは?」

 それを聞くと一条専務と黒木部長は真っ青になった。

 「な、何だって?またそんな出まかせを……!」

 「出まかせなんかじゃありません。俺の情報網を甘く見てもらっちゃ困る。桐生グループにはありとあらゆる繋がりがあちこちにある。少し調べればすぐにわかる事だ。嘘だと思うなら早速会社に帰ってみるがいい」

 この話を聞いていた周りの人は、皆驚いて一条専務と黒木部長を見た。彼らはそんな周りの人を一瞥すると社長を睨みつけた。

 「こんなデマをこんな所で言うとはな。桐生グループの将来も落ちたもんだな」

 そう悔し紛れに言うと二人とも足早に会場を後にした。
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