Rescue Me
「いらっしゃいませー」
私は駅近くのイタリアンレストランのドアを開けた。
薄暗い店内は各テーブルの上にあるペンダントライトが周りをあたたかく照らしていて、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「お一人様ですか?」
「あ、いいえ。友人と待ち合わせをしているんですが……」
そう言ってうろうろと店内を見渡していると、美穂さんが私を見つけて手を振った。
「蒼ちゃん、こっちこっち!」
「ごめんなさい。少し遅くなって」
美穂さんがいるテーブルまで歩いて行くと、遅くなってしまった事を詫びた。
「大丈夫だよ。ごめんね、私達もう飲み始めちゃってるけど」
席に着くと皆一斉に私の方へ注目する。早くも『introvert』な性格が全開になり、ここへ来た事を後悔しだす。
「さっきも話したけど、こちら七瀬蒼さん。一緒に犬を保護するボランティアをやってるの」
美穂さんは私を一緒の席についているメンバーに紹介した。今日のメンバーは全員美穂さんと同じ三十歳前後の人達で、私達女性4人の向かい側には同じ様に4人の男性がいる。
「蒼ちゃん、こちらは有村さんと雪野さん。二人とも私の会社の同期なの」
美穂さんは医療機器メーカーに勤めている。同じ会社に勤めているという二人はとても感じの良い人達で、緊張している私に人懐こく微笑んだ。
「こんばんはー。いつも千歳さんから聞いてるよ。若いのにボランティアしてるなんて偉いね」
「ありがとうございます」
全員の視線が私に注がれ、こういう場に初めて来るということもあり緊張でカチコチになる。すると向かいに座っている男性がそんな私を見てふっと笑った。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。俺、水樹です」
「はじめまして」
私はおどおどと挨拶した。もともと知らない人と至近距離で話すのが苦手なのに、それが男の人とあればなおさらだ。
「すごく可愛いのに控えめなんだね」
水樹さんは面白そうにクスリと笑った。
「実はこういう場にくるのは初めてで……」
「そっかー。それじゃあ緊張するよね」
彼は小さな子供でも見ているかのように、優しい笑みを浮かべる。
私は駅近くのイタリアンレストランのドアを開けた。
薄暗い店内は各テーブルの上にあるペンダントライトが周りをあたたかく照らしていて、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「お一人様ですか?」
「あ、いいえ。友人と待ち合わせをしているんですが……」
そう言ってうろうろと店内を見渡していると、美穂さんが私を見つけて手を振った。
「蒼ちゃん、こっちこっち!」
「ごめんなさい。少し遅くなって」
美穂さんがいるテーブルまで歩いて行くと、遅くなってしまった事を詫びた。
「大丈夫だよ。ごめんね、私達もう飲み始めちゃってるけど」
席に着くと皆一斉に私の方へ注目する。早くも『introvert』な性格が全開になり、ここへ来た事を後悔しだす。
「さっきも話したけど、こちら七瀬蒼さん。一緒に犬を保護するボランティアをやってるの」
美穂さんは私を一緒の席についているメンバーに紹介した。今日のメンバーは全員美穂さんと同じ三十歳前後の人達で、私達女性4人の向かい側には同じ様に4人の男性がいる。
「蒼ちゃん、こちらは有村さんと雪野さん。二人とも私の会社の同期なの」
美穂さんは医療機器メーカーに勤めている。同じ会社に勤めているという二人はとても感じの良い人達で、緊張している私に人懐こく微笑んだ。
「こんばんはー。いつも千歳さんから聞いてるよ。若いのにボランティアしてるなんて偉いね」
「ありがとうございます」
全員の視線が私に注がれ、こういう場に初めて来るということもあり緊張でカチコチになる。すると向かいに座っている男性がそんな私を見てふっと笑った。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。俺、水樹です」
「はじめまして」
私はおどおどと挨拶した。もともと知らない人と至近距離で話すのが苦手なのに、それが男の人とあればなおさらだ。
「すごく可愛いのに控えめなんだね」
水樹さんは面白そうにクスリと笑った。
「実はこういう場にくるのは初めてで……」
「そっかー。それじゃあ緊張するよね」
彼は小さな子供でも見ているかのように、優しい笑みを浮かべる。