【短篇】君のとなりで




「…いってきなよっ」


一瞬大きく目を見開いて
優しくわたしに微笑むと、



「…サンキュー…。」





勢いよく智佳たちが姿を消した方向へと走って行った。





早く終わりにしたかった。

叶わない恋をし続けるよりはやくけじめを付けたかった。



聡が悲しそうな顔をするたびに

視線が絡み合わないことに

胸が締め付けられた。








けれど…、本当はただ…自分が傷つきたくなかっただけなのかもしれない。






これでわたしの恋も終わり。






これからは智佳の隣で幸せそうに笑っているのかな…?
もう一緒には居られないね…。






.
< 7 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop