【短篇】君のとなりで
「…いってきなよっ」
一瞬大きく目を見開いて
優しくわたしに微笑むと、
「…サンキュー…。」
勢いよく智佳たちが姿を消した方向へと走って行った。
早く終わりにしたかった。
叶わない恋をし続けるよりはやくけじめを付けたかった。
聡が悲しそうな顔をするたびに
視線が絡み合わないことに
胸が締め付けられた。
けれど…、本当はただ…自分が傷つきたくなかっただけなのかもしれない。
これでわたしの恋も終わり。
これからは智佳の隣で幸せそうに笑っているのかな…?
もう一緒には居られないね…。
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