満月の誘惑




美味しいと言ってもらえるのは嬉しいけど、あまりにも何度も褒められるから、ついに恥ずかしくなってきて、私からごろっと話題を変えてみた。




「旦那様。畑では、お疲れになりませんでしたか?」




丁度大根を頬張られていた時で、煮汁とともにゴクッと喉が鳴る。




「初めてだったが、大変興味深かった。体を使うことは慣れているが、形の良いものだけを選別できる目を肥やす必要があると分かったよ」


「納めている先の人は私たちも知らないんですけど、上流階級の方たちとだけは、聞いています」


「大変な仕事だな」


「あの、両親とは…どんなお話を?」




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