満月の誘惑
「どうだったと言いますと…?もしかして、お二人とも気づいておられたのですか?」
旦那様を追いかける前にかけた言葉に対する返事といい、今の反応といい、変に無関心で気になる。
薄い反応をしたということは、知っているということ?
まさかとは思ったが、当てずっぽうで言ってみると、頷く二人。
「夜に出て行くし、帰ってきたら酷い有り様だ。母さんと怪しいと話してはいたんだが…」
「狼人間の言い伝えが本当なのは知っていたし、佃家は代々続く人狼家系なのよ」
「知ってたなら、何で言ってくれなかったの!?」