満月の誘惑
「シロツメクサ…。私の好きな花です。ありがとうございます」
「柚葉、私はお前を愛している。こんな姿だが、誰にも柚葉への愛の大きさは負けないと、胸を張って言える。…私を、受け入れてもらえるだろうか」
そんなの、もうとっくの前に受け入れている。
旦那様は月城家の立派な一員で、私の愛する旦那様。
返事を強張った表情で待つ旦那様が可愛くて、言葉で答える代わりに、旦那様からされるはずだったキスを、傷のある頬にした。
「おかえりなさい。よくご無事で帰ってきてくださいました」