俺の女



「「……って!!」」


『あっ…ごめん……』





顔をあげると、背の高い厳つい男にギロッと睨まれて、恋嘩は身を縮こめながら『なさい…』と付け加えた。





「「…なんやこの女ぁ」」


「「ヒデさんにぶつかってんちゃうぞコラァ」」





その男についていた2人の男が、恋嘩を囲んだ。



恋嘩は困った顔をしながら後ずさりをするうちに、じりじりと壁際まで押された。








「「…んー?よー見たら可愛いやんけ。」」





ぶつかった男が恋嘩の顔を覗き込む。



恋嘩がスルッと逃げようとしたとき、バンッと壁に手をつかれた。





「「逃げる気〜?」」


『やからっ…ごめんなさいっ』


「「ん〜…俺とヤってくれたら許したろっかな〜w」」


『!!』





ニヤニヤしながら、恋嘩に手をかけようとする男。


恋嘩が顔を青ざめたとき、周りで人が殴られる音とうめき声が聞こえた。





ドカッ…



「「がっ…」」



「「ぐっ…」」





男が振り返ると、さきほどのこいつの仲間が倒れていた。





「「はっ!?おまえら…」」





ドカッ!!





恋嘩から手を離した男は、誰かに蹴られてその場に倒れた。



…怖くてギュッと目を閉じていた恋嘩がそーっと目を開けると…







普段とは違う、ものすごく怖い目で倒れた男たちを睨んでいる愁洩が立っていた。
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