俺の女


――カズの家に着いて、カズは恋嘩を部屋に誘導した。





「「懐かしいやろぉーw」」

『………』





…愁洩達のことを考えて、さっきから表情の暗い恋嘩。


それが気にいらないカズ。





「「…聞いてんの?」」

『えッ…うん…』

「「じゃー今からお前は俺の彼女。わかったな。」」

『………はぃ』

「「んじゃ…髪染めっか。」」





立ち上がって、髪を染める道具を手にするカズを見て、恋嘩が戸惑う。






『…え?』

「「髪染めんの。金髪に」」

『そんなッ…なんで…』

「「俺の彼女やから?(笑)」」

『………』








―――恋嘩はその瞬間、ふとした過去を思い出した。





「お前…髪サラサラやなぁw」

『そー?』





愁洩が恋嘩の髪に指を通している。





「あぁwこの茶色って地毛?」

『そーやでーw』

「俺…お前の髪めっちゃ好きw」

『ありがとッ(笑)』

「染めたりせんほうが絶対えぇわw」

『んwじゃーそーする♪』







それから、恋嘩は髪をいじったことがなかった。




愁洩が…ああ言ってくれたのに…





「「おい。早よ来いよ」」

『…うん』

「「………」」





ガバッッ





「「つれへん女やなぁ。」」





我慢の糸が切れたカズが、恋嘩をベットに押し倒した。
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