俺の女



『愁洩っ…?』



「!!恋嘩っ…なんもされんかったけ!?」




恋嘩の傍にしゃがんで、恋嘩を見つめる愁洩の目はいつもの愁洩だった。





『う…うんっ…』



「「…てめぇ…」」





愁洩に蹴られた男が起き上がった。



ビクッと驚く恋嘩の前に立って、ダーンッと壁を思いっきり蹴る愁洩。




「お前ら恋嘩に何してくれとんねん…なぁ?」


「「あぁっ!?てめぇー誰じゃコッ…」」




男が愁洩の胸倉を掴みあげた。


それと同時に愁洩の顔を見て、動きを止めた。




「「おっ…お前……愁洩!?」」


「調子のってんちゃうぞコラ…ぶっ殺されたいんけ?あぁ?」


「「っ…!!おまえら行くぞっ!!」」





愁洩の顔を見るなり、血相を変えて逃げ出した男たち。



ちっ…と舌打ちをして振り返ると、恋嘩が愁洩の顔をじっと見つめていた。




…っやべ……
こいつの前で…




「…わりぃ。こんなとこ見しちまって……っ?」




ガバッ…



恋嘩にいきなり抱き着かれて、「へっ!?」っと目を泳がせる愁洩。




「どしたっ!?こ…怖かったけ!?ごめ…」


『助けてくれてありがとうっ!!そんでやっぱり諦められへんっ…』


「…へ?」
< 14 / 321 >

この作品をシェア

pagetop