俺の女



愁洩達は、恋嘩がいなくなってから…一度も喧嘩をしなかった。







―――そんな気すらもなかった。




三ヶ月間…ずっと恋嘩の帰りを待っていた…。







「「「……………」」」





「…恋嘩……どこいんねん…」

『カズもヒロも…居場所わからんし……』

「情報もなんもねぇし……」







―――その時だった。



バァァン!!!





ドアが強く開け放たれ、裕兎が息を切らして入ってきた。





「はぁッ…はぁッ…おぃ!!!情報手に入ったぞッッッ!!!」

「「「!!!なんやとッ?!」」」





思いがけない言葉に、全員が声を上げた。





「恋嘩チャンが…硫盟の奴らと一緒にいんのを目撃した奴がいたッッッ!!!」


「……なにぃッ?!」

「どこでやッ!!!」





愁洩と諒弥が、ガタッと立ち上がる。



…その名前を聞いただけで頭に血がのぼった。





「場所まではわからん……んで硫盟の奴らのアジトに行ってみたけど……カラやった…」


「畜生…」

「意味ないやん……」





伸哉・燵弥に続いて、立ち上がった仲間が、次々にドサッと腰を落としていく。





『なんで…硫盟の奴らとッ…』



「あとッ…恋嘩チャン…あいつらにボロボロにされてるらしぃ…」

「あぁッ?!」





言いにくそうに漏らした裕兎の言葉を聞いて、愁洩が荒々しく立ち上がった。
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