俺の女


「どこやッ?!」

『!!!恋嘩!!!』





美蘭が、芝生のところに横向けになっている恋嘩を見つけた。


愁洩もそっちに視線を移す。





「恋嘩ッッッ」





美蘭が、横たわっていた恋嘩を抱き起こす。





『みん…な…』

「恋嘩チャンッ!」

「こんな…ボロボロでッ…」



『ほんまに…皆や……夢じゃ…ないんやんなっ…?』





目に涙を溢れさせながら、少し震えた手で美蘭の頬に手を伸ばして、そっと触れる恋嘩。



その冷たくて痩せた手を、美蘭が涙を零しながら、ギュッと握った。






『皆ッ…今まで……ごめんなさぃッ…(泣)』





声を詰まらせる恋嘩。


恋嘩をベンチに座らせながら、美蘭が恋嘩の両手を隣から握った。






『一体…今まで何があったん?!』

『………』

『…話してよ…恋嘩…』

『……ッッ…ひっく…(泣)』





恋嘩は泣きながら全てを話した。



カズに、従わなければ皆を殺してもらうと脅されたこと。



カズの命令で、愁洩と別れ、カズと付き合ったこと。




カズの思い通りにされたことも…。







そしてそのダチとは、硫盟だったこと。





硫盟達にいろいろ遊ばれたこと…








『ぅッ…あたしッ……言いなりになって…皆のこと裏切っちゃって…もぅ死のーって考えて……最後に皆の声聞こうと思って…電話して―――』





バチッッッ!!!





『!!!』





愁洩が恋嘩の頬を叩いた。



恋嘩は、その頬を手で押さえながら、そっと顔をあげた。




今までの痛みとは違う、いろいろな思いの詰まった痛みが伝わった。
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