俺の女



愁洩の腰に手を回したまま、顔をあげる恋嘩の目は、涙で潤んでいた。




「ちょっ…おま…泣い…」



『だって愁洩…かっこいいんやもんっ!!今も助けてくれたし優しいしっ!!』


「…っ!?//」


『あほで生意気で意地悪やけど…あたし…愁洩のこと好っ…』




恋嘩の言葉を遮って、慣れない手つきでギュッと恋嘩の顔を自分の胸に押し付ける愁洩。




「…言わせねーよ」


『…?』


「あほ。先ゆおーとすんなやっ……俺が先ゆーねん!!」


『??』


「……す」




…言いかけたとき、愁洩の目の前に諒弥と美蘭が現れた。


そして目の前の光景に思わず目をふさぐ2人。




ばっ…ばかにしてんのかこいつらっ…



顔を歪ませながら拳を握りしめる愁洩の腕の中で、恋嘩がもがく。





『愁洩〜!!あたしの告白ちゃんと聞い…』


「あっ…すっ…好きや!!……あっぶね〜俺の勝ちっ!!」




またもや恋嘩の言葉を遮って、今度は勢い余ってちゃんと言えた愁洩。


…恋嘩はびっくり。
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