俺の女


『腰痛ぁ…』

『…大丈夫…?』

『うん。(苦笑)』





腰を抑えながら、ゆっくり立ち上がる恋嘩。


…そんな恋嘩の隣から、低い声が聞こえた。





「………恋嘩…」

『ん?』

「あいつら…どこにいんの?」





…いつになく鋭い目つきで、どこかを眺めている愁洩。



歯を食いしばって、拳を握りしめる。





「ぶっ殺したる……」


『…わからんねん……』

「……は?」





愁洩が我に返ったように、フッと恋嘩を見た。





『朝起きたら…誰もいんくて…逃げてきてん。』

「……アジトは?」

『なぃよ…。ずっとバイクで移動してた。』

「………」

「行方はわからんのか…」





諒弥も腕を組んでため息をついた。





『うん…。でも…今はえぇやん!あたし家に帰りたい〜…』

『…そーやで。恋嘩の手当てしてあげよ?』

「………あぁ。」





愁洩は立ちあがる。
< 151 / 321 >

この作品をシェア

pagetop