俺の女


―――その日の夜





「…まだ怒ってるんけ?(笑)」





布団の中で口を尖らせている恋嘩を見て、すねた子供にちょっかいを出すように、愁洩が恋嘩の頬をつんつん突いた。





『…怒ってへんー』

「…んな顔してっと、可愛い顔が台なしやぞッ」





今度は恋嘩の頬をむにッと引っ張った。



その捻くれた目と潰れた頬を見て、吹き出す愁洩。





『にゃにわりゃってんにょよー……』





恋嘩も自分の滑舌の悪い言葉に思わず吹き出す。



そして恥ずかしそうに枕で顔を隠した。





『もお〜愁洩のあほー(笑)』

「マジお前おもろっ!!爆笑やわっ(笑)」

『…あたしで遊んでるやろ!?』

「…バレた?(笑)」





舌を出して笑いながら、恋嘩から枕を奪いとる。






『ひどーい!!(笑)…えーしな!!明日あたし1人で行くからッ』





ベッドでぴょんっと跳ねて、愁洩をトンッと押す恋嘩。





「無理。お前絶対ナンパとかされんもん。俺がいんとあかんわ(笑)」

『まぁ〜それはありえへんけど、愁洩と花火見たいし♪』


「ありえんわけないわッ!!マジ心配やぁ…(苦笑)……つーか、お前と花火も楽しみやーけどッ…俺わぁ〜w」





ニヤッと笑って恋嘩の腰に手を回す愁洩。


…しかし恋嘩はその手をすり抜けて、布団に潜りこんでしまった。





『…明日のために早く寝なッ♪おやすみッ♪』

「ッえぇええぇ!!?…ヤらんと明日もたんって!(笑)」

『……。』

「寝んの早ッ!!(笑)…俺も寝るかぁ…」
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