俺の女



「くッ(笑)綿菓子食わんのけ?」



『…食べるよっ』





俺が笑いながら顔覗き込んだら、恋嘩は口尖らせながら綿菓子食べよった。





…ふて腐れとる(笑)







「んな膨れんなって(笑)可愛い奴w」

『…バカ』





…恋嘩がボソッと言いよった言葉に、俺は耳疑った。




…は?





「…バカぁ?」

『バカバカバーカ!愁洩のバァーカ!!!』







バッと顔上げたと思たら、睨みながらでっかい声出しよる。



…急にどーしてん(笑)
…ちゅーか……







「俺はバカとちゃうわっ!!!(笑)」

『バカやんかぁー!』






恋嘩は叫んだ後、走ってそのまま人込みに入って行きよった。







「――ッおい!恋嘩!!」






そしてすぐ、恋嘩の姿は見えんくなった。






あほっ…!!


あいつ…あれほどゆーたのに自分からはぐれてどーすんねんッ!!!






恋嘩の携帯に電話をかけてみるけど、応答はない。



…そらこんな人混みの中で聞こえるはずないか…






パコッ…




携帯閉じて、とりあえず叫んだ。





「れ――んかぁー!!」







ザワザワザワ…





…でも聞こえんのは、ほかの客のざわめきだけ。






「あ゛――!!!どこやぁ!!」











一方、恋嘩も我に返って後ろを振り返る。






『……あれッ?愁洩??』





恋嘩の後ろに愁洩の姿はない。





『はぐれちゃった…』






…離れんなってゆわれてたのに…




恋嘩は背伸びをして人ごみの中の愁洩の姿を探す。





『しゅ―えー!!』
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