俺の女
その頃、屋台の間を走り抜けてきた愁洩は屋台の最後の方にあったカキ氷屋の人に尋ねた。
「おい!おっさん!ピンクの浴衣着たこんぐらいの女、通らんかったけ?!」
「「あぁ〜見た気がする。」」
「どこやッ?!」
「「ここ抜けてどっか行ったな」」
「マジ!?サンキュ!おっさん!」
やっと追い付いたか…
まーぢ世話やかせやがって…
愁洩は、ため息をつきながら恋嘩が行ったほうへ走っていく。
それを知らないまま、恋嘩も諦めずに抵抗する。
『あたしの彼氏は喧嘩とか超強いねんぞ!!!あんたらどーなっても知らんでッ!!』
「「へぇー…いっぺん見てみてぇなぁ(笑)」」
「「その彼氏はどこにいんのー?」」
…知らんわっ
どこいるかわからんし……
助けになんか……来てくれへんよな
「「はぐれたんやろ?」」
「「俺らが一緒に探してあげるってぇw」」
「「お腹も空いたんやろ?大人しくついてこいって。」」
…あ゛ー!!もぉー!!!
なんなん!?こいつら!!
『うっとしぃなぁ!どっか行って!!!』
「「うっとい…?」」
…少し限界に近づく男達。
「「あんま怒らせんなよー…???」」
「「来いっつってんねんろ…」」
さらに恋嘩を引っ張る。
…痛いっちゅーねん!!
…うっとしーなぁ!!
引っ張られて、イライラしている恋嘩は、睨みつけながらもう一度言い放った。
『離してってゆーてるやん!バカッ!!!』
「「ッッッ…こいつッ!!!」」
男が恋嘩に手をあげようとしたその時―――
「恋嘩――!!どこやあー!!」