俺の女



「…ちッ…」


『愁洩ッ!!!どこ行ってたんよ!あほっ…』





愁洩にかけよって、声をあげる恋嘩。



愁洩は振り返って不満そうに言葉を返した。





「俺はどこも行ってへんわ!!!お前がどっか行ったんやろ?!」





…興奮が治まった恋嘩は、今までの自分を思い返して、しゅんっと頭を下げた。






『……そっか…』



「…バーカ(笑)」





愁洩が恋嘩の頭を自分の胸に抱き寄せた。





「散々バカバカ言いやがって…(笑)」

『はぃ…すいませんっ…あたしがバカでしたッ…///』





急に恥ずかしくなって、弱気になる恋嘩の言葉を聞いて、愁洩は笑った。



笑われて、更に顔を赤らめる恋嘩。






『あの人らにもバカバカ言いまくってもーた…』

「あーゆー野郎にはゆーて当然やッ!!…んで、なんもされなかったけ?されたんやったら今から探してぶっ潰しに行くけど。」


『うん、されんかったで!!…でも怖かった…』





きゅっ…っと愁洩を抱きしめ返す恋嘩の小さな力を感じて、愁洩の表情は、ふっ…と綻んだ。





「そーか…でもよ、よーバカバカゆーてなんもされんかったなぁ…」

『まぁねw(笑)』


「…まぁーお前に近づく男みーんなバカっつーかアホやけどな(笑)」





愁洩の言葉を聞いて、ニヤッと笑う恋嘩。




『…男みんな?じゃぁー愁洩もアホなんやw』

「…こいつッ…」

『へへーw』





恋嘩が笑いながら愁洩に舌を出した。




「………ばーか(笑)」





愁洩が恋嘩にキスをしようとした時…







―――――ドーン!!!
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