俺の女
「―――ッ…」
大きな音に遮られて、愁洩が動きを止めた。
そして2人は空を見上げる。
『…花火…?』
――――――ヒュルルルル…ドーン…
『わぁーwww綺麗ー♪』
恋嘩は、ずっと見たかった花火が見れて、嬉しそうにはしゃいでいる。
一方で、キスを邪魔された愁洩は不機嫌そうだ。
「花火のヤロー…邪魔しやがってぇ…」
『ここ、よー見えるし絶好の場所やなっw』
「んー?あー…まぁなー(笑)」
『…あたし…ずっと花火見てみたかってんなあ〜』
恋嘩が寂しそうな目で遠くを見つめるようにして言った。
「…見れてよかったやんけw」
『うんっ♪また来年も見たいな〜…』
「なにゆーとんねん!!来年も再来年も何十年後も見れるやんけっ★俺様が連れてったるわ★」
目を細めていた恋嘩の肩を、ツッコミを入れるように軽く叩いて、愁洩はニカッと笑った。
愁洩の笑顔を見て、恋嘩もニコッと笑った。