俺の女
「け…喧嘩すんなって…」
2人の言い合いを見て、止めに入ろうとする諒弥。
それでも、2人の睨み合いは続く。
『てゆーか…あんたやっぱり迷子になって絡まれてついてこーとしたん?(笑)』
「予想的中やなぁー(笑)」
美蘭と諒弥の呆れたような会話を聞いて、愁洩がバッと振り返る。
「マジありえんやろ!?昨日あんなけ忠告したってのに…マジあほやん」
…愁洩の言葉に、恋嘩の頭の中のなにかが切れ、冷静さを失った恋嘩は、目を伏せたまま呟く。
『……さっきから「あほあほあほあほ」ゆーて…』
「お前だってさっき散々バカバカゆーたやろーが!しかもそんなゆーてませんけどー」
子供のように言い返す愁洩。
恋嘩はキッと涙目で愁洩を睨みつける。
『今はちゃうやろっ!愁洩のバカぁ…』
「はぃはぃすいませんでした!俺がバカでしたぁー」
『!!!(怒)』
愁洩の適当な謝り方に、恋嘩はついにキレて、愁洩に近寄って耳元で大声で叫んだ。
『愁洩のッ…バカぁぁぁぁぁ!!!』
「【キィーン…】――――ッッ!!!」
大きすぎる声に、思わず耳と目を塞ぐ愁洩。
そして恋嘩は走って3人の前からいなくなった…